これが私の生きる道

「お疲れ様でした~」

その頃は、ミニバイクで30分くらいのところに
家賃48,000円のワンル-ムマンションを借りて
一人暮らしをしていた私ですが、
ボ~ッとバイクを走らせていたら、
何を踏んづけたのか、いきなり愛車がパンク!

午前3時の真っ暗な田んぼの横の砂利道を、
重くなったバイクを引きずりながら歩く絵は、
今の私にはあまりにも似合い過ぎてるぜ…

うぅっ、何で私だけがこんな目に…
そう思うと、今日一日の出来事が頭の中を駆け巡り、
何にもできない自分、
何にも知らない自分がほとほと情けなく、
おまけに愛車にまで見放され、
無力感で膝が折れそうでした。

神様は、「おまえなんか、屁~や!!」(大阪の神様です。)
って思い知らせるために
こんな目に会わせてはるんちゃうか-?

昨日までのウキウキした、
地に足着いてない気分は
吹っ飛んでしまいました。

何にもできない、役に立たない、頭でっかち、
バイクは走ってくれると思ってる、
自分もできると思ってる、
パンクして動かなくなったらこんなに参ってしまう…
自分も意外と何にもできないのを知ったら、
初日から挫折しそうになってる…

情けなくて情けなくて
「ふぇ~ん」と泣きそうになりながら、
ひたすらバイクを押していると、
だんだんそんな現実が
今度はとっても悔しくなってきて、
腹が立ってきて、
「くそ-っ」って感じで、
もう涙も出ませんでした。

そして、全身汗だくでよれよれになって、
午前4時過ぎ、やっと家に着いた頃には、
「まあ、これが現実というもんか。
めげてても、8時には出勤やし。
毎日こんな思いに潰されて、
果てしなく落ち込んでいくのも嫌やし。
パンクも直せばまた乗れるしな。
あのシェパ-ドくんは元気になってるかな-」
なんて考えながら、
「これが私の生きる道」と、
ささやかな覚悟ができたのでした。

私の輝かしい出勤1日目でした。

(もうちょっとだけつづきます・・・)

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