アトムの気持ち

おれ、アトム。

花形満のような前髪がかっこええやろ?(・・・古いなぁ)

お姉ちゃんたちと暮らしてます。
病院の先生や看護師さんたちとも長い付き合いになります。

おれ、な~んか、若いころから、診察室入ると、
「何かされるんちゃうん?」って
こわくなるんよねぇ~

ほんでもって、ついつい、
ガウガウのオオカミ犬に変身してしまうねん。
何やね。
ゆうてみたら、
お月さん見て変身する狼男みたいなもんやね。
白衣見たら黒アトムが出てきよんねん。

お姉ちゃんは、もう手慣れたもんで、
ササッとおれにカラ-つけて、
ハイ、よろしくお願いしますって、
おれを先生に捧げはりますねん。
でも、その目はいつも優しいで。
変身しても、お姉ちゃん、おれのこと、いっつも心配してくれる。
検査が終わって帰ってきたら、しっかり抱きとめてくれる。
ほんま、あの瞬間は、ホッとするなぁ…
なんでおれ、もっと、ガマンでけへんかなぁ…と
あのお姉ちゃんの優しい目を見るたんびに
心の中で反省や。
お姉ちゃん、すまんなぁ・・・って・・・

別に先生や看護師さんに恨みがあるわけやないし、
ホントは甘えたの典型的なお姉ちゃん子なんやけどね。
それをそのまま見せるのも、何か、こっぱずかしいっていうか・・・

そうそう、前に病院でお泊りした時、
看護師さんたちが優しくしてくれるもんやから、
つい本性をさらけ出したことがあるねん。
今思えば、顔から火が出るわ・・・

あれから看護師さん、先生にいつもゆうてるもんなぁ、
「アトム、案外甘えたで、あの時、しっぽ振って、
ヘラヘラで、なでて~抱っこして~やったもんなぁ・・・」

もう、看護師さんにも先生にも、
ガウガウは効かなくなってしもた。
う~ん・・・
どうしたらええのやろ?
おれはこれからも黒アトムであり続けるべきか、
白アトムでいくべきか…
それがおれの一番の今の悩みです。

でも、ひとつだけわかってること。
それはどっちのおれでもお姉ちゃんは
おれのこと、好きでいてくれるってこと。
おれって幸せ!!

アトムより

 

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