クサンダと生きる。

それから半年間、
ずっと寝たきりのクサちゃんに寄り添って
お母さんの介護は続きました。
そして・・・

2011年、5月20日、お電話を頂きました。
涙声で、それを必死でこらえられながら、
「ついさっきクサちゃんが息を引き取りました。」
と伝えてくださいました。

「夕べから意識が無くなり、
もう最期であることを感じたので、
ずっとそばにいて、最後の鼓動が消えるまで、
私の胸の中でしっかり確認した。」

「14歳と9ヶ月、老衰で逝ってくれました。」

そして、お辛いのに、あらためて挨拶に来て下さり、
こんな風に話してくださいました。

「クサが私を幸せにしてくれました。
今までの子をいろいろな病気で亡くして、
ああしたらよかったのでは?こうしたらよかったのでは?
と、自分を責め続けていた私が、
ちゃんと最期を看取りたいと決心してもらいうけた子。
『うちで死なす。』と思って心に決めた子。
私のために、その通りに、
クサが私の夢をかなえてくれました。」

一緒にいられるのがあと3~4年とわかって、
つらさも丸ごと受け止めて、
それでも「共に生きる」と覚悟して、
これだけの愛情を注がれる・・・

その心構えの崇高さと
本当にやり遂げられた愛情の深さに圧倒されながら、
皆で、涙、涙・・・でお話を聞きました。

クサちゃんに幸せな第2の人生を与えらることができたお母さんの力が、
私たちにしてみればすごいことなのに、
自分が幸せにしてもらったという、
クサちゃんへの感謝の気持ちでいっぱいでおられ、
おつらいのにきちんと挨拶に来て下さり、私たちへの感謝も伝えて下さる・・・

本当にクサンダとお母さんに出会えてよかった・・・
この仕事をしていてよかった・・・
私たちも一緒に
凝縮された4年間を過ごせたこと、
幸せに思います。
人も動物も、持ちつ持たれつ、
支えられて生きていることを、改めて強く思いました。

クサンダは、お母さんを幸せにし、
お母さんはクサンダをこれ以上ないくらい幸せにした。
お母さんはどんな苦労も面白おかしくネタにして話してくださる根っからの大阪人!
クサンダはいたずらな目をしたおちゃめなおばあちゃん!
私たちも、そんな二人にパワ-をもらって、幸せでした。
楽しかった。。。

・・・こちらこそ、感謝しています。

またお会いできる日を楽しみにしていますネ。

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