我が家の長男、次男、三男、四男の話を少し。。
へその緒がついたまま捨てられていて、
仕事をしながら、哺乳瓶で育てました。
ミルクをせがんで、いつも
み-み-み-み-鳴いていたんで、
ミ-ミ-と名付けました。
きれいなブル-の目で、結構男前でした。
髪をくくるゴムが好きで、
投げてやると何回も取りに行っては、
犬のようにくわえて戻ってきました。
1時間くらいつき合ったこともあります。
家の外壁と塀の間に挟まって、
宙に浮いた状態になってしまったときは、
私を見つけるや否や、
にゃおんにゃおん鳴きながら、
クロ-ルで私の胸に飛び込んできました。
20年生きてくれました。
ミ-ミ-より2年あとにやって来ました。
顔がブサイクで、
若い頃からおやじのようだったので、
そう名付けました。
でも、その顔と気立ての良さにどんなにか
癒されたか…
ミ-ミ-は大食漢で、
おやじのお皿を片手で押さえながら、
自分の皿から食べるようなヤツでしたが、
おやじは気のいいヤツで、
一歩下がって
ミ-ミ-兄貴が食べ終わるのを
じ-っと待っているようなヤツでした。
仕事で疲れて帰ってきたら、
2階から、どすん、どすんと
ゆっくりと階段を降りてくる音が聞こえ、
それだけでも心癒されるのに、
おやじはよくこうやって
私の手をなめてくれました。
お疲れさん、大変やったね…
頑張ったね…
気にするな…大丈夫やで…
そんな風に言ってくれてる気がして
張りつめた心を解かしてくれました。
そして、三男は、ただいま小学生。
落語を愛し、
2年生の時に
どうしてもどうしてもどうしても
仕事に出ねばならなかった私の代わりに
ミ-ミ-をしっかり看取ってくれた
心優しい息子です。
その息子が赤ちゃんの時も、
おやじはよく面倒を見てくれました。
この後、
周りにおもちゃをいっぱい並べられるのですが、
おやじは全く動じることなく、
「したいようにしなはれ・・」
といった風情でした。
ミ-ミ-が亡くなってほどなく、
噛みつき魔の
一八(いっぱち)がやってきました。
三男が「ミ-ミ-の生まれ変わりや。」
と言ったこの四男は、
道路わきの溝に落ちていて、
ノミだらけで、やせっぽっちでした。
ノミが媒介するヘモプラズマにまで感染していて、
輸血しないといけないくらいの貧血でした。
それでも私の手を噛み、
必死で逃げようとし、
完全な人間不信でした。
噛みつき放題の
やんちゃぶりを発揮する一八でしたが、
おやじは、
これも動じることなく、
静かに見守り、
さりげなく相手をしてやっていました。
猫の心まで解かすんやなぁ・・・
おやじのおかげで、一八も
安心して、のびのび暮らすようになりました。
(つづく)