緊急手術

わたし、シロ。

宝塚のような粋な前髪とくっきりとした瞳の女の子やよ。

お父ちゃんとお母ちゃんとお兄ちゃんたちと暮らしてます。
いつも元気バリバリのお転婆と言われてるんやけど、
2012年の幕開けそうそう大病を患ってしもてん。

あれは、2012年1月4日、
お母さんがあちこちに血が落ちているのに気付いてくれて、
病院に連れて行ってくれてん。

血液検査をすると、PCVってやつが12%!
これは命にかかわるくらいの貧血やって言われてびっくり。
レントゲンも撮って、
どうやら子宮からの出血らしいって・・・。

先生の表情がいつになく深刻で、
説明を受けるお母さんの
心臓の鼓動が聞こえそうやった。

すぐに子宮を摘出する手術をしないと
この出血量では、内科治療だけでは助からないこと。
今からすぐに準備して、緊急手術を行うこと。
貧血がひどいので、手術中に万一のこともあり得るので覚悟しておいてほしいこと。
先生は、言いにくそうにお母さんにそう話してた。

わたしのお母ちゃんは、いつも楽しくて面白いんやけど、
この時ばかりは、とてもつらそうに顔をゆがめて、
悪い夢でも見ているかのような・・・そんな表情やった。

わたし、どうなるんやろう・・・って思ってたら、お母ちゃんが、
「シロ、ごめんね。でも、頑張るしかないねん。頑張ってな・・・。
先生、覚悟はしておきます。どうかよろしくお願いします。」
と先生に深々と頭を下げて、一生懸命の顔になってた。
目がうさぎみたいに赤かったで。

何かわからんけど、わたし、頑張るしかないんやなって感じた。

先生と看護師さんは、
わたしが貧血で低酸素血症とかになっているから
急に心不全を起こすかもしれないって言って、
酸素吸入しながら、麻酔濃度も慎重に調整しながら、
最短時間で手術してくれてん。
先生も必死やった。看護師さんも必死やった。

そして・・・なんとか無事に目が覚めたよ。
そのとたん、先生も看護師さんもすんごい笑顔で、
泣き笑いみたいな顔して、
「良かった!がんばった!えらいなぁ。すごいでシロちゃん!」
ってやたらほめてくれて・・・なんだか、安心したというか、
ああ、生きてるんやなぁ・・・って思った。

やっぱり子宮の血管からの出血で、
手術で卵巣と子宮を取ったら、
血は出なくなったよ。

それでも貧血がしっかり改善するまではなかなかで、
しばらくしっかり食べれへんかったから、
看護師さんに注射器でご飯を食べさせてもらっててん。

先生が言うには、
うさぎって、何が原因であっても、
食べないことで胃腸が動かなくなると、
腸の中のばい菌が増えて、
腸内毒血症っていうばい菌の毒素に負けちゃう病気になって
死んでしまうんやて。

でも、私、貧血でしんどくて、食べる気になられへんかったから、
「せっかく手術頑張ったんやから、しっかり食べて元気にならな!」
って看護師さんに毎日励ましてもらって、食べさせてもらって、
だんだんパワ-が出てきてん。

もう、牧草だってむしゃむしゃ頂けるようになりました。

ひたすらむしゃむしゃ・・・

そして、めでたく退院!!

あとから、病理検査っていうので分かったんやけど、
子宮に血栓という血の塊ができてて、そのせいで血管が壊れたのかもしれないらしい。
子宮の腫瘍ではなかったんやて。お母さんもほっとしてた。
でも、うさぎには、子宮の腫瘍も多いし、子宮からの原因不明の急な出血も多いから、
やっぱり元気な時に避妊手術をしておいた方がいいって先生が言ってたよ。

それと、うさぎも猫も、犬みたいな発情出血っていうのはないから、
おしっこの出口から血が出てたら、膀胱か尿道か膣か子宮の病気って考えないとあかんし、
手遅れになると亡くなることもあるって言ってたよ。
私も、もう1日遅かったら危なかったって・・・

お母ちゃんが、「うちの子のことをホ-ムペ-ジに書いてもらって、
まだ避妊手術を迷ってはる方が決心して下さったら…」って言ってたよ。
お母ちゃんも、元気やのにメス入れるのかわいそうで迷っているうちに
こんなことになってしまったから、同じ後悔をされないために…って。

本当に元気になれて良かった。
お母ちゃん、お父ちゃん、お兄ちゃん、心配かけてごめんね。
ずっと毎日面会に来てくれてありがとう。
お母ちゃんたちの顔見たらホッとして、入院生活もへっちゃらやったよ。
結構、病院で幅きかしてたんやで。
先生も看護師さんも元気になった私を見て、
「本領発揮やな。」って笑ってたわ。

本当にありがとう。
またみんなで楽しく暮らそうね。

シロより

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